ファンタム電源について

Mj掲示板 で教えていただいた情報 (海外の掲示板の記事) により再検証しました.
その結果,ファンタム電源のノイズは問題が無いことがわかりました.
概要は次のようなものです.

- XLR入力にファンタム給電を必要とするコンデンサマイクを接続した状態で
 ファンタム電源をオンにしたときには,ノイズ音は出ない.
 そのため,実際のマイク録音ではファンタム電源のノイズ問題は起こらない.

- XLR入力に何も接続しない状態でファンタム電源をオンにすると
 ノイズ音がする.48Vで大きいノイズ音,24Vは48Vの半分程度のノイズ音がする.
  (当初掲載の記事はこのノイズ音を調べたもの)

- XLR入力の接続状態とノイズ音の関係を調べたところ,マイクを接続しなくても
 マイクケーブルを挿しただけでノイズ音が小さくなることがわかった.

 a) 3mのマイクケーブルを挿すとノイズ音はほぼ消えてしまった.
 b) 1.5mのケーブルではノイズ音は小さくなるものの,まだ聴こえる状態.
 c) 無ケーブルのXLRコネクター部品を挿した状態では効果はなく
   無接続の状態のノイズと同じ大きさのノイズ音がした.

 このように,マイクケーブルの長さでノイズ音の大きさが変化するという
 おもしろい結果になった.マイクを接続すればマイクケーブルの長さに
 かかわらずノイズ音は出ないので,実際の録音でケーブルの長さを
 気にする必要はないようだ.

テスト時の録音結果は次のようなもの.
AC駆動,ゲインH,ファンタム48Vで,XLR入力端子の接続状態を変えながら
録音したファイルをPC側で48dB増幅して,ノイズを聴きやすく拡大した.

phantom_test_in1_catalog.mp3
phantom_test_in2_catalog.mp3

1.Phantom Off
2.Phantom 48V,XLR = 無接続
3.Phantom 48V,XLR = XLRコネクター部品 (Neutrik NC3MXXB)
4.Phantom 48V,XLR = マイクケーブル 1.5m
5.Phantom 48V,XLR = マイクケーブル 3.0m

の順番で約10秒ずつ並べた.

2,3,4にキーンというノイズ音が聴こえる.
2と3はほぼ同じ大きさ.ノイズの音程が少し違うが,これは接続状態の違いとは
関係ない.(ノイズの音程は時間の経過とともにゆっくりと変化する)
4でノイズ音が小さくなり,5では消えてしまっている.

In1,In2とも同じような結果だが,In1のほうはプツプツというノイズ音がして
In2よりすこし汚れた感じ.これは個体差のようだ.

Gain-H, Phantom 48V, Neutrik NC3MXXB connected into XLR-in


Gain-H, Phantom 48V, Mic Cable 1.5m connected into XLR-in


Gain-H, Phantom 48V, Mic Cable 3.0m connected into XLR-in


マイクを接続してみる

Audio Technica AT4050/CM5を接続して簡単に実験した.
AC駆動,ゲインH,ファンタム48Vで,In2のXLR入力端子にAT4050を接続して
録音したファイルをPC側で増幅して,ノイズを聴きやすく拡大した.

AT4050の接続には1.5mのマイクケーブルを使用.ノイズ音は入らなかった.
このとき同時に無接続のIn1側も録音されるので,比較対照用のノイズ音も
一緒に録音できた.

phantom_test_at4050.mp3

1.In1側 (無接続) のノイズ音
2.In2側 (AT4050) の録音内容.部屋の環境音.

の順番で約7秒づつ並べた.

AT4050の録音では,部屋は静かだったのに予想以上に周囲の雑音が入ってしまった.
結果として,1.5mのマイクケーブルで接続したAT4050にファンタムのノイズ音は
入らず,無問題だった.

雑音にかき消されたのかも知れないし,他のマイクでテストしていないので
決定的なテスト結果とはいえない.

- Zoom H4 + 1.5mのマイクケーブル + AT4050ではファンタムのノイズ音は入らず,
 問題は起きなかった.

- 実使用時にはファンタムのノイズ音の問題が起きないことを確認した.

- もし他のマイクでキーンという音がするようなことがあっても
 マイクケーブルを長いものに交換すれば解決するのではないかと思う.

最後に,ゲインHでノイズ音の影響を受けやすい状態にして
AT4050でどのような録音になるかテストしてみた.
S/Nが悪いが気にしないでほしい.これはそういうテストだから.

Testing XLR Phantom 48V AT4050 Gain-H Mono (normalized, 24to16bit).mp3

本当は生録音をしなければならないのだけど,残念ながら時間も機材もない.
そこでフリー素材集からランダムに選んだ波形をリアンプしてAT4050で拾ってみた.
ボーカルのリバーブが妙な感じだが,掛け録りの素材だったから仕方ない.

これはゲインHのノイズの影響を調べるためのもので,
よい録音結果を得るためのものではないことに注意.

セッティングは,Tannoy Precision 6Dの正面25cmの距離にAT4050を置いて
素材波形をDM-24でモノラル化して6Dから出してマイクで拾った.



S/Nを稼ぎたければ,マイクを近づけてスピーカーの音量を上げればいいが,
ここではそうしなかった.
ただ環境音がやたらと入ってしまったので,これはよくなかった.

あと,ついでにH4の内蔵マイクで同じ音を録音したのでそれもここに掲載しておく.

Testing Internal Mic Gain-H Stereo (normalized, 24to16bit).mp3

これは内蔵マイクでゲインH.24bit/44.1kHzで録音したものをノーマライズしてmp3化.
こっちはステレオになっている.スピーカーとの距離は約80cmで,レベルメーターが
最大で-12〜-9dBくらいを振れる録音だった.

これもS/Nが悪いが,これはそういうテストだから・・・というか,あまり録音品質の
ことを考えていなかった.AT4050のテスト時に流した音を内蔵マイクでも録音したら
どうなるかという思いつきだけだったので.

同日,同設定の録音なので,AT4050との質感の違いがわかるはずだ.

最初のマウスクリックの音でスピーカーの音が割と小さいことがわかるはず.
一般家庭のミニコンポで音楽を流すほどの音量を,80cmの距離でこれくらい拾えると
考えてもらえればいい.

XLR入力が無接続時のときのノイズについて

XLR端子に何も挿さない状態でファンタム電源をオンにすると
奇妙なノイズ音が聴こえる.この音の測定結果について報告.

このノイズは,実際にマイクを接続したときには消えてしまうので,
特に問題ではないことは前述の通り.

AC駆動,ゲインHでファンタムの設定を変えながら録音したファイルを
PC側で48dB増幅して,ノイズを聴きやすく拡大したもの.

phantom_noise_catalog.mp3

1.Phantom Off
2.Phantom 24V
3.Phantom 48V

の順番で約10秒ずつ並べた.

このノイズは,ある周波数にわずかなピークが常時あらわれるもので
掲載したファイルでは24Vで7870Hz,48Vで5300Hzと10630Hzに出ている.
24Vは48Vよりノイズ音の大きさが小さい(半分以下)になっている.

また,このピークは時間の経過と共にゆっくりと音程が変化する.
5分くらい時間をかけて高くなったり,あるいは低くなったりする.

Gain-H, Phantom Off


Gain-H, Phantom 24V


Gain-H, Phantom 48V


録音時そのままのWAVファイル.(mp3化や増幅などの加工をしていないもの)
無XLR接続時のファンタム給電時のノイズ (OFF,48V,24V)

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